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![]() あべクリニック 阿部 哲夫
【電子カルテについて】
当院では、電子カルテを採用しております。 電子カルテを使用しての診察には、多くの利点がありますが、また同時に多くの欠点もあります。ここでは、神経科における電子カルテの使用について説明します。 【利点について】
1.カルテ保存のためのスペースが必要なくなる
当院では、開院以来8年間のカルテがカルテ棚4本に収納されていますが、このまま紙のカルテを採用し続けると、カルテ保存のための倉庫が必要となってしまいます。こうした、スペースを電子カルテでは必要としなくなります。
2.医師同士や患者さんと医師の間などで、情報の共有化がしやすい。私をふくめ、手で書いた字は読みにくいものです。電子カルテでは、画数の多い日本語でもカルテを書きやすいため、日本語で書くことが可能です。このため、医師同士や患者さんと医師の間での情報の共有化を図りやすいと思います。また、カルテを開示する場合でも、一般の方でも読みやすくできると思います。 3.カルテに書き込む情報が、紙のカルテよりも多くすることができる。 当初は、ワープロのようにカルテを書き込まなくてはいけないために、手書きのほうが多くの記事を書くことができると思っていましたが、電子カルテのほうが、文例の登録や辞書登録を駆使すれば、短時間でより多くの記事を書き込むことができます。情報を多く残せることは、よりよい診断治療につながります。 4.診療情報提供書(紹介状)や診断書が書きやすい。 名前や住所などが自動的に転記され、またカルテの内容を切り貼りできるので、短時間に診療情報提供書を作成できるようになりました。また、診断書や紹介状に対する返信なども同様です。 5.火災などでカルテが失われる可能性を低くすることができる。 電子カルテのデーターについて複数バックアップをとっておけるので、火災などでカルテデーターがすべ失われる可能性がかなり低くなります。 6.薬歴や検査歴などを確認しやすくなる。 電子カルテには、薬歴や検査歴を一覧できる機能があるために、過去の薬歴(これまでに処方した薬の種類や量の経歴)や検査歴を調べやすすくなります。手書きカルテで薬歴を調べようとすると、いちいちカルテを読み返す必要があります。こうした手間は、電子カルテではかなり省略できます。 7.処方箋の作成の際のミスを少なくすることができる。 従来当院では、手書きカルテに書かれた処方をスタッフがレセプト用のコンピューターに打ち込んで、処方箋を出していました。そして、印刷された処方箋をさらに医師が確認するという方法をとっていましたが、電子カルテでは医師が直接処方を入力し、それを受付で確認するため、処方の入力のミスを減らすことができます。実は、これは最大のメリットといっても過言ではありません。 8.カルテ出しの作業がなくなる。 患者さんが来院したという入力をするだけで、いちいちカルテをカルテ棚から取り出して診察室に入れるという作業がなくなり診察を中断される回数をかなり減らすことができます。 9.メッセンジャー機能を使うことで、受付からの情報のやり取りをしやすくなる。 たとえば、医師宛の電話がかかってきたときなど、インターフォンなどを用いなくてもメッセージをコンピューター上で診察室に伝えることができるため、これも診察の中断を減らすことできます。 【電子カルテの欠点について】
以上、電子カルテの利点について書きましたが、このようないいところばかりではありません。電子カルテでの欠点も少なからずあるのです。
1.情報の漏洩の危険性が高まる。 コンピューターの盗難やデーターを落としてしまう可能性があるなど、情報の漏洩の可能性が高まることも事実です。個人情報保護法も施行されるに当たり、こうした危険性のため、より情報の管理を厳密にしていく必要性があります。特に、コンピューターをインターネットに接続する場合さらに注意が必要です。このため、当院では電子カルテで用いているコンピューターは一切インターネットには接続しておりません。また、コンピューターにパスワードを設定して万が一の情報の漏洩を防いでいます。 2.診察中にディスプレーを見る機会が増えてしまう。 どうしても当初は入力に慣れないためもあって、患者さんの顔を見て話しを聞くより、コンピューターへの入力に気を取られがちになります。このために、患者さんから目を見て話を聞いてほしいと要望される可能性があります。当院でも、導入当初はこうした声も聞かれました。 3.停電などに弱い。 停電するとカルテの情報が引き出せなくなり、診察が困難になります。ノート型などを併用すれば内臓の電池などで多少の時間は持ちますが、それも限界があります。災害時などは、過去のデーターを取り出しにくくなります。 4.コンピューターが故障すると診察できない。 停電と同様にコンピューターが故障すると、診察が困難になります。このために、当院ではコンピューターを一台余分におきこうした事態に備えています。 長々と書いてきましたが、このように電子カルテには一長一短があります。従来手書きカルテを使っていた場合、データーの転記もメーカーが異なったりすればかなり困難です。しかし、電子カルテを使い始めると、その便利さはその欠点にはるかに勝るものであると思います。いまは、手書きのカルテにかえて電子カルテを導入したことで診療のレベルを向上できたと考えています。 |
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