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あべクリニック 阿部 哲夫
今日処方された薬は、抗うつ薬です。多くの抗うつ剤は、飲んでぱっと効くといった薬ではありません。1週間から10日あるいは2週間効果が出るまで、毎日コンスタントに飲む必要があります。従って、副作用が出ない限り決められた量をのんでください。のんでも効かないからといってすぐに中止しないでください。
副作用で、多いものはのどの渇きや便秘、眠気、吐き気などです。頭痛を起こす薬もあります。しかし、副作用はのむにつれだんだんなれて、軽くなることが多いようです。ですから、我慢できる程度のものでしたら、少し辛抱して飲み続けてください。
もし、副作用かなと思ったら、遠慮せずに電話で問い合わせてください。診察中で、即答できないこともありますが、折り返しお返事いたします。
一部の薬(リタリンなど)を除けば、一般の抗うつ薬には習慣性はありません。また、くすりを一生のみ続ける必要もありません。治療が進んで、症状が良くなれば場徐々にくすりが減り、薬をやめられるようになるのが普通です。
症状がよくなってもすぐに薬はやめず、しばらくはのみ続けてください。いきなりやめると、反動で症状が元に戻ってしまったりすることがあります。このため、2週間から3週間あるいはそれ以上かけて、徐々に薬を減らしていくのが原則です。具体的な減量のペースは主治医にお尋ねください。
治療期間は一般的には、3ヶ月から6ヶ月くらいかかると考えてください。もちろん、軽症であれば、これより短期間ですむ場合もありますが、重症の場合や過度のストレスがかかり続けた場合はこれ以上かかることもあります。従って、あらかじめ全治何ヶ月と予測することは困難です。
うつ病にかかったときの生活のすごし方の基本は、どの病気でも一緒ですが休息することです。十分な睡眠をとり、無理な活動を避けて休息をとることが必要です。うつ病の患者さんは、何もしないでごろごろしてはいけないと思いがちですか、体がだるければ、昼間でも横になっても構いません。
うつ病は心の風邪であるとよく言いますが、風邪でも治療の基本は休息と十分な栄養補給であるのと同じです。あとは、生活のリズムを崩さないことです。規則正しい生活もうつ病の治療には必要です。睡眠と食事のリズムを整え休息を十分に取ることです。
うつ病の時には何もしてはいけないとゆうことはありません。やりたくないことを、無理にすることは勧められませんが、やりたい趣味や旅行などはしてもかまわないと思います。
しかし、ストレスになっている仕事などを、休めないからといって無理にすることはしないほうがいいと思います。休職が必要なときもあります。診断書などが必要なときには、担当医にご相談ください。
励ましたり、気のせいなどといって発破をかけることは一番避けるべきです。病気であることを認めてあげることがまずは必要です。その上で、そっと見守ることがいいでしょう。
多くの場合本人は、何も説明したくない、話をするのも面倒と思っていることが多いのです。本人が話を聞いてほしいといったときに初めて、話し相手になってあげるくらいでいいと思います。あまり心配しすぎも良くないかもしれません。本人は、周りの人に申し訳ないなどと思って、自分を責めてしまいかえって病気が悪くなることもあります。
入院の効果は、まず現在の環境からはなれてストレスから開放されることにあります。入院するだけでよくなる患者さんも居るくらいです。あとの利点は、副作用などに対してすぐに対応できるために、薬の調整を外来治療に比較すれば、より大胆に行えることにあります。
また、診察の頻度も外来よりは多くまた1回の時間も多めに取ってもらえます。従って、重症のうつ病の場合は、入院治療のほうが早く直るケースもあります。また、自殺念慮が強く実際に実行してしまいそうな場合は、入院が必要です。このほか、治療が長引いてしまい、慢性化してしまったケースや、欝が強く日常生活にも支障が出てしまっている場合などは、入院を検討したほうが良いでしょう。入院を考えている場合は、気軽に担当医に相談してください。
抗うつ剤とは、うつ病を改善する薬です。
気分の落ち込みや、やる気のなさをよくする薬です。うつ病以外でも、パニック障害や強迫神経症などの治療にも使われます。最近はSSRIやSNRIといった、比較的新しいタイプの副作用の少ない抗うつ薬が発売され、内科でも処方される比較的身近な薬になりました。
以下に、当院でよく使用される薬について解説します。この解説は、一般論ですので、すべての場合に当てはまるわけではありません。詳しくは、担当医にご相談ください。
比較的新しい抗うつ剤です。SSRIといわれる選択的セロトニン再吸収阻害剤のひとつです。簡単にいうと、脳の中のセロトニンとゆう物質を増やす薬です。脳内のセロトニンが、減少すると気分が落ち込む原因になるといわれ、このセロトニンを増やすことで、気分を持ち上げるくすりです。SSRIは、従来の抗うつ剤に比べて眠気の副作用が少ないといわれますが、パキシルは眠気がやや強い印象があります。このほかの、副作用は吐き気です。そわそわ感を感じる人も居ます。不眠がちになることもあります。
しかし、作用は強力で、かつ効果が高いのが特徴です。一日1回の服用で効果がでますが、効果が出てくるまでは、1週間から10日続けて飲む必要があります。服用量は、1日10mgから40mgまでです。パニック障害や強迫神経症に使われることもあります。
SSRIの一つです。特徴としては、他のSSRIにくらべて副作用が少ないことが上げられます。パキシルやルボックスと同様に、脳内のセロトニンを増やす作用があります。副作用が少ない反面、効果もマイルドな印象がありますが、この薬も有効な薬剤のひとつです。一日の用量は、50mgから100mgです。
新しいタイプの抗うつ薬です。SSRIともSNRIとも作用機序が異なる薬剤です。平成21年に発売になった薬剤です。ノルアドレナリンセロトニン作動性抗うつ薬といわれている薬剤で、ノルアドレナリンとセロトニンともに増加させる薬剤です。作用の発現がはやく作用も協力なのが特徴ですが、眠気や体重への影響が副作用としてあります。眠気は出現しますが、睡眠障害のある方には適している薬剤です。また、食欲の低下している方にも有効な薬剤です。一日の用量は、15mgから45mgで眠る前の投与が一般的です。
平成22年4月に発売になったSNRIです。効果は比較的強力で、抑うつ気分だけではなく意欲の低下にも有効といわれている薬剤です。副作用は、吐き気や頭痛や排尿困難ですが、頻度は比較的多くはなく、副作用の少ない抗うつ薬です。用量は朝一回で20mgから60mgです。
これもSSRIのひとつです。抗うつ効果は、ややパキシルにわずかに劣る気はしますが、決して作用が弱い薬ではありません。眠気が少ないのが特徴です。副作用で多いのが、吐き気です。このために、ガスモチンといった吐き気止めと一緒に出すこともあります。これも、パニック障害や強迫神経症にも使われます。やはり、効果が出るまでは7日から10日のみ続けることが必要です。1日の量は、50mgから200mgで、一日2回以上に分けて飲みます。摂食障害の過食嘔吐の症状に良く効くことがあります。
これは、SNRIといわれる薬のひとつです。この薬は、セロトニンとノルアドレナリンという脳内物質を増やす薬です。気分を明るくするよりは、意欲を高めるのに効果的であるといわれています。副作用は、吐き気と頭痛です。やはり、強力な抗うつ効果をもっています。用量は、一日50mgから150mgくらいで、一日に2回以上に分けて服用します。
このくすりも、効果が出るまで7日以上は飲み続ける必要があります。副作用として、多いのは頭痛や吐き気です。ときには、尿が出にくくなることがあります。
本来は、抗うつ剤というよりは、安定剤に分類される薬ですが、当院ではうつ病の方に飲んでいただくことが多いために、ここで説明します。SSRIが登場するまでは、うつ病の第一選択薬だった薬です。副作用が少なく、作用は強力です。眠気も強くはありません。しかし、ホルモンに影響を与えてしまい、女性では乳汁分泌や生理不順を起こすことがあります。こうした副作用は、飲むことを中止すれば元に戻るので、乳汁分泌があってもあわてなくても大丈夫です。胃潰瘍の薬としても使われるため、胃にやさしい薬ともいえます。
うつ病だけではなく、不安神経症やパニック障害や統合失調症など、幅広く使われる薬です。うつ病には150mgから300mgの量で使います。作用が現れるのが比較的早く1週間以内です。この薬も、飲み続けることが必要です。
従来型の抗うつ剤です。いわゆる3環系抗うつ剤といわれる薬です。3環系抗うつ剤の中では、新しい薬で、比較的副作用が少ないタイプの薬です。作用は強力で、SSRIが登場したあとでも、その有用性は色あせることのない薬です。やはり、うつ病以外でも使われ、パニック障害や強迫神経症でも有用です。一日30mgから150mg最大300mgまで使うことが出来ます。パキシルと併用すると、より効果が増強されます。
副作用は、眠気、便秘、手の振るえ、口の渇きなどです。尿の出が悪くなることもまれにあります。作用は、強力ですがSSRIに比べるとやや副作用が出やすいのが欠点です。やはり、飲んですぐに効くことはなく、10日前後飲み続けることが必要です。