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第2回 「乗り物」

2013/06/13

今回の各自のノートですが、(梅津も含め)量的にはそれほど多くなく、2〜4日分というところでした。

A氏は前回も書いたグラフィティの他、アートアワーというプログラムで作ったコースターを直接ノートにはったり、絵を描いたりしています。タバコの紙を貼り付けたりもしていて、前回よりも糊を使ってくれています。
ビジュアルイメージが多い内容ではありましたが、様々なキャラクターが登場するのが、印象的でした。だんみつお(話題の壇蜜さんからの引用かと思います)、おやっさん、顔のないブタ、おばブッダ(ブッタのようなおばさん)など、珍妙なキャラクターが多数ありました。さらに「人類花嫁」という気になるキーワードも出現していました。

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続いて梅津ですが、こちらはこのグループワークをどうしていくか、という内容に言及した言葉集めをしています。些細な断片でも全体のルールに反映したいと思っています。また、Reborn部の「Reborn」という言葉がやや大袈裟なので、スーザン・ソンタグの「Reborn」に記載されている、「乗り物」という概念から、「Vehicle」という言葉を使うか検討しています。「Vehicle」という言葉には、乗り物という意味のほか、「媒体,伝達手段」という意味もあり、このグループワークに適した名称な気がしていました。ただ、実際に言葉に出して、話し合ってみると、いまいちしっくりこない感じもありました。今後、もう少し検討してみたいと思います。

B氏は、淡々と続く日々で、感覚が鈍く、観察力がなくなっているおり、新しい「目」が必要なのかもしれないと書いています。また映画「シルク」の中の自分のために鉄道を敷いた男の話を記載しています。

A氏よりこのグループワークが終わってから、デイケアの空間に戻った時の気持ちのギャップがあるとの話がありました(ご本人は「ビジョンが違う」という表現をしていました)。たしかのこのような作業は、ある意味、自分と向き合う時間を作り出してしまいます。そのことが気持ちを不安定にさせるリスクがあるのも事実です。そのリスクも医療機関でおこなうグルプワークして適切なものなのかも含めて検討しなくてはいけないようです。

また途中で、他のスタッフやメンバーが覗きに来て、3人ともノートを見せる場面もありました。やや驚きましたが、皆、自分のノートをちらりと見せています。そのノートを見て、他のスタッフも、自分でノートをつけて参加したいという人も出て来ました。そこでここは思い切って、スタッフは梅津だけではなく、他のスタッフに変わる場合もある、という風にした方が、「実体を持たない媒介物としてのワークグループ」に育っていくのではないかとも思いました。そんないい加減なものがグループワークとして成立するかどうかは怪しいものですが、当初から考えていた「部分によって全体が作られていく」イメージに近いように思います。

今後どうなるかわからない面があるかもしれませんが、それだけに、テストケースから始める形でよかったです。今回少ないながらも決まったことは以下の2点です。最後に記載しておきます。

① 義務にするのはおかしいけれど、週に一回は書いてみる。
② 糊はスティック糊に変える。
③ 貼れない素材もあるので、小袋を用意し、ホッチキスで止めることも検討する。

日付印はやはり良い感じではありますが、毎日押すのも難しい面もあります。