睡眠の医学

眠れない、昼間眠い、朝起きられないなど睡眠の問題で悩んでおられる方は多いのではないでしょうか。実は、厚生労働省の調査でも、国民の5人にひとりに当たる人たちが何らかの睡眠の悩みを持っているという結果が出ています。また、このような悩みは、快適で健康な生活を妨げる結果になります。
例えば、眠れないという場合にもいわゆる不眠症の場合もありますし、他の病気の症状として不眠という症状が出ていることもあります。したがってそれぞれの治療も、睡眠薬や昼間の薬の使い方など、専門的な知識が必要になります。

また、早く眠ろうと思ってもなかなか眠れない、明け方近くに眠りにつくと昼過ぎまでおきられない。そのため、学校や仕事に行けないなどの症状のある、体内時計の問題による睡眠障害(睡眠相後退症候群)もあります。

この他にも、眠ろうと思って床に入り静かにしていると、足がムズムズして眠れないというムズムズ脚症候群(レストレスレッグ症候群)など、睡眠に伴った問題もあります。眠れない以外にも、眠りすぎるという過眠症に悩む人も居ます。昼間、耐え難い眠気があり大事な場面でも眠ってしまうナルコレプシーという疾患はこの過眠症の代表格です。近年マスコミなどでもよく取り上げられている、睡眠時無呼吸症候群なども、睡眠中に息が止まるというほかに、昼間の眠気が自覚的な症状になっています。

最近はこのような悩みを解決する「睡眠の医学」が発達しており、これらの悩みを治療できるようになってきました。しかし、このような睡眠の問題をきちんと診断して治療するのには専門的な知識もいります。専門医のいる外来に受診して、眠りの悩みを解決し快適な生活を取り戻しましょう。
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【睡眠時無呼吸症候群などの相談はお受けしていますが、診断のための検査は検査施設のある他の病院を紹介しています。】