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第10回 「変化」

2013/08/07

いよいよ10回目を迎えましたReborn部です。今回はメンバー4名、スタッフ4名の参加で始まりました。

最初はスタッフのシフトの関係などもあって、梅津からです。いきなり小難しい内容で恐縮ですが、あまり書いていませんのでお許しください。スロバキアの思想家スラヴォイ・ジジェクの言葉のなかで、「欲動は閉回路である」はという内容があったのですが、これはオートポイエーシス理論にも似た部分があるな、と思い、メモしています。また、欲動が「way」である、という考え方もありましたが、このあたりは東洋思想に影響を受けているのでしょうか、道教にも似ている気がしています。

続いて、ストイックな内容が多いと言われているB氏です。デイビッド・クローネンバーグ監督の「イースタン・プロミス」という映画を見たとのこと。F氏が前回言っていたことから、「この10年間で何かが変わったか」を考えていたとのこと。自分自身では「鋭い言葉がなくなった。何かいろいろあったけど、風化している」と記載しています。メディア論で教鞭をとっている「端末市民」という言葉が気になっているとのことで、思考が麻痺してきていることに問題を感じているそうです。最後に、日々の準備の大切さを語っています。小さなことでも準備していないと動けない気がしているそうです。

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D氏はいつも通り、1日1ページ、かつ挿絵を入れる、というルールで進めています。今回はまたなかなか深刻な内容が多いです。最初は「人に何か伝えるには創造力は必要だけど、客観性が必要」というメモをされていますが、続いて、「人間のスタートとゴール地点はどこなのか」という哲学的な内容を考えています。「生まれた瞬間がスタートで、死がゴール」というわけではなく、「何かが生まれたときに初めてスタートラインに立つ気がする」とのこと。また、「自分はまだスタート地点に立っていない」気がして、なんで生きているのか考えるとわからなくて、「このまま死ねたら楽なのか」と考えてしまうこともあるとのことです。ただ、「目標があるだけ幸せかな」と思うそうです。

別の日のノートには、何をするの身構えてしまい、コンビニに、お風呂などを面倒に感じてしまう、との記載があります。ただ、何か始めると止まらなくなり、小説を一気読みしまうこともあるとのことです。恒例の挿絵では、自分の背中のイラストを描いて、solitudeとの文字も記載されています。どうも、調子が悪くなると、近所の声が悪口に聞こえたり、スタッフに不信感を持ってしまったりすることがあるそうで、「ひょっとして私は人に心を許すことができないのかな」と思ってしまうとのこと。親戚に甘え方を知らなくてかわいそう、と言われたことがあり、「人に物を頼むのが苦手」だそうです。ただ反面、人に甘えたい気もしており、そういうことを許してくれる人が欲しい気もする、とおっしゃっています。

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ご自身では、「内容が薄い」と言っていますが、むしろ内容が濃い印象ですし、かなり内的な心情を吐露しているように思います。そのため、確認の意味でこういったことはあるのか聞いたところ、あまり自分の心情を話す機会はない、とのこと。そういった意味ではReborn部のノートはそういった敷居を低くしている部分はありそうです。

E氏はノートの記載はないのですが、ミニという車(いわゆるローバーミニか、デザインを引き継いだBMWミニ)をよく見かけるので、デジカメで撮っているとのこと。好きなわけではないが、あまり見かけない車だと写真を撮るようになったとのこと。探してみるとけっこうあるんだなと思っているそうです。スタッフA氏から、「ミニミニ大作戦」という映画をオススメされています。基本的は、車と言っても、特殊車両は興味があるそうで、ショベルカーのシャベルとクワのような部分の交換シーンを見たことがあるとのこと。くわしく交換の仕方を説明してくれています。

さらに続いて、A氏ですが、買い物に行ったが、失敗をしてしまった様子を絵で表現しています。この日は失敗の総集編のような日だった、とのこと。また、「ほしのつきこ」というキャラクターが登場しています。今回も描こうとした人物が失敗してしまい、そこから思いついた名前を付けているそうです。変わらず、仏像のキャラクターが登場しています。また、スタッフの一人の目からのレーザー光線が出ており、その光線で蟻を殺している絵も描いています。それからちょっとしたきっかけから、似顔絵の描き方を統一しようと思いたったそうです。方法としては、筆圧を強めし、かつすばやく描くようにしているとのこと。内容が薄いとご自身でおっしゃっていますが、スタッフA氏より、無理に何かを伝えたいと思う必要がないとの助言を受けています。

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次に、スタッフA氏です。マスキングテープを新しく買ったのでテンションが上がったとのことで、どんどん使用しています。読んでない本がいっぱいあって、脳が腐ってしまうと思ったとのこと。飼っている猫が3匹いるスタッフA氏ですが、耳の様子がそれぞれ違っていますので、そこが気になり、3種類の猫の耳を描き分けています。絵を描きつつ、急にパンを焼いていないと思った、という気持ちも記載しています。「何かに秀でていたら、自分の人生も違っていたのかな」と考えることもあったそうです。

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今度は、これまでトリを務めることが多かったスタッフC氏です。電車の中で蜘蛛の巣を見たとのことで、その絵を描いています。虫がいないのに巣を張ってしまってよいのか心配されていました。そして今回から、日付印を購入しています。普通の文房具屋では1000円以上するのですが、雑貨屋で見つけ、300円くらいだったそうです。今回は挿絵も多く、「自他共に認める」人気者のメンバーの絵を描いています。また、「リボーン薬局」というのを見つけて、こちらも絵に描いています。さらに、早起きをして出かけた奥多摩でサルを見たとのことでした。心なしかサルの話題が多い気がするC氏です。

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今回のトリは、シフトの都合上、久しぶりの参加となったスタッフのD氏です。今回からカバーを変えています。以前のカバーとの違いは装着したまま書けることです。自分のためのノートとして使っている傾向が強い、というスタッフD氏ですが、発達心理学を復習しながら、自分が成長しているのか、成長していないのか考えて、図などを書きながら整理しています。また、徳島に旅行したときの様子をたくさん貼り付けてあり、旅日記のように様相になっていました。

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7月後半は、ゲリラ豪雨が多かったのですが、そのことからゆずの「夕立ち」という歌詞を引用しています。また、将来の夢に関することを考えている時期だったそうで、以前より(特定のことに関して)挑戦するのが怖くなったと語っています。普段から文章を書いているスタッフD氏ですが、以前、「ファム・ファタール」をテーマとした物語を書いていたとのことで、その文をプリントアウトして、貼り付けています。「ファム・ファタール」とは、男を破滅させていく魔性の女、という意味合いが強いそうです。この文章は他の作家やドラマで似た内容が多かったため、「書きかけのまま、穴を埋めるのをやめた」文とのことでいsた。「Another」というミステリー小説を書いた作家の綾辻行人氏からメッセージをいただく機会があったそうで、その内容をプリントアウトしてものをノートに貼り付けています。

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「粋な一生」というラーメン店に行った話など、日常生活に関する記載もあるのですが、自身の成長について思案する時期だったのか、そのあたりを詰めて考えることが多いそうです。これまで自分の嫌だと思っていた部分をじわじわと変えてきたつもりだったが、以前と同じことをしてしまってダメだなと思うことがたびたびあるとのこと。目に見える変化、目に見えない変化、良い変化、悪い変化など、自身の内面を見つめるような視点が新鮮です。そろそろ凝り固まってきた梅津、スタッフA氏・B氏にとっては、そのやわらかい感性が羨ましく感じられました。

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全体の傾向として、過去の事を振り返りつつ、現在の自分と照らし合わせるような内容が増えてきているように思います。Reborn部本来の趣旨が徐々に色濃くなってきた印象です。

さて、かなり間を開けたはずなのに報告が遅れてしまっていますので、今度はB氏主催の映画鑑賞企画にしてもいいな、と弱音をはいている梅津です。映画を見て、今度はそれについての感想を皆で言い合うという回があってもいいかもしれません。短編程度の長さでしたら、一回でいつもの時間内に収まりそうです。