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第14回「カフカ 田舎医者」

2013/09/18

今回は、梅津のアップ作業が一向に進んでいない、
ということもありまして、山村浩二監督のアニメ『田舎医者』の上映会としました。

以前も書きましたが、B氏はレンタルビデオが家にないと落ち着かない、というほどの映画好きですので、B氏のセレクトによる上映会です。
『田舎医者』はカフカの短篇集のなかに収録されているものですが、海外でも評価の高いアニメーション監督、山村浩二監氏による作品です。大まかなシナリオとしては、吹雪のなか、往診の要請を受けた田舎の医者が夢のような出来事ばかりが起きる状況のなか、往診に向かい、これまた奇妙な患者とその家族とのやりとりを展開する、というものでした。頻繁に変形する登場人物、モノクロの風景の中に描かれる陰鬱な世界観は、悪い夢のようです。狂言や落語のような語り口や少年合唱団の声にますます異世界の印象を受けますが、それゆえに心にこびりつくような作品となっています。

A氏の感想としては、ところどころ笑いがある、とのこと。筆者は笑う、という感情はあまりありませんでしたが、B氏によると、海外の人は笑いながら見るそうです。狂言や落語のような言い回しが海外の方にはより新鮮とは思うのですが、「海外では字幕が入ったのか?」という疑問もありました。B氏によると、海外の場合、異国の見るときはほとんど吹き替えなので、吹き替えだったかもしれません。そうすると余計にその吹き替えが気になるところです。字幕で映画を見るのは日本ぐらい。少年合唱団の歌も印象的だった、という感想もありました。

D氏も途中から加わり、感想を述べ合いました。
・いわゆるベタな進行とは程遠い、非連続的な感じが強い。ですし、
・作り手がこう見て下さい、と提示していない。
・人の動きがぐにゃぐにゃして新鮮だった。
などの感想が聞かれました。

次回以降、感想などがあったらノートに書きましょう、とプチ宿題を出しつつ、終了しました。
たまにはこういうパターンもいいかもしれません。