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第17回「空白と記憶」

2013/10/09

今回の参加者は、メンバー4名、スタッフ2名です。

まずはA氏からです。実は今回、何も書いておらず、空白の内容になっています。ただ、日付印を押してありました。いろいろとあって書く余裕がなかったとのことですが、日付のみの記載がそのことを語っているようにも思えます。

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久しぶりの参加となったスタッフD氏です。高校の学習科目「倫理」のペーパーテストを目にする機会があり、「日本には元来、自然という概念がなかった」との記載があり、感銘を受けたとのことです。「自然」は輸入概念であり、草木、生き物について言葉として表現しなかった(する必要がなかった)のが日本の文化だったようです。また、「日本には哲学はない」といいますが、あまりに生活に密着しているのでそのように思えるのかもしれません。

スーパーカップや、ハーゲンダッツのクッキーバニラが美味い、ゲームの「モンスターハンター」を始めた、などの日常をライトに記載した後、自分のことを「いやだ、きらい」だと思って、「うー」となることもあったが、今は生きているので自分は運がいい、というなかなか深い記載がありました。D氏もつい最近、そのような話を友人とした、とのことで、昔のことは抹消したいけど、その頃を知っている人がいるのはいいものと同調されています。

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また、中学2年生のときに地元で「文学賞」をとったことがあるとのこと。作文を始めたのは小学校の終わりくらいで、小説のショートショートに憧れて書いていたそうです。最近は小説を仕上げていないので、これからはきちんとやりたいという決意されています。それから、サグラダ・ファミリアが完成予定との記載を受け、出来ちゃんうだねえ、と感想をもらす皆。B氏によると、建物であり、楽器でもあるそうです
。また、最近は、土日は予定があって、ハッピーな気持ちになることが多いとのこと。そして、急に寒くなったら、金木犀の香りがして、いろいろと思い出すことも多いそうです。金木犀のにおいを嗅ぐとやさしい気持ちになるとのこと。最後にカラオケのプログラムでD氏が歌った曲に、「あるがまま」という共通の歌詞があったので印象に残ったとのこと。他の参加者をうまく話の輪にとりこむようなノート作りは意図的ではないかもしれませんが、梅津はそういったことが全くできていませんのでログをとりつつ反省しております。

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続いてB氏です。イチョウの葉に日付印を押していますが、インクの文字が透けているような感じで美しいマチエールです。最近、デイケアの友人と呑み、朝ドラの話題となったそうです。その人は「あまちゃん」から「ごちそうさん」になり、あまり見ていないとのこと。大事にしていた炊飯器を捨てられ、怒ってしまったシーンで共感できずにやめた、とのこと。その人ならば泣いていた、と。そして、安くお酒を呑めたわりには内容の濃い話ができ、「お酒はディスカウントしても、人生はディスカウントするな」と記載しています。また、デイケアではフリーマーケットを企画していますが、B氏の描いた絵でポストカードを作る予定です。自分が描いた絵に価値をつけるのは難しいと語られています。デイケア内の会話で、「エヴァンゲリオン」というアニメに出てくる「ロンギヌスの槍」を「ロドリゲスの杖」と思い違いしてしまった友人についての記載もありました。

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次にD氏ですが、A氏に続いて、D氏もいろいろとあったのでしょうか、「疲れていたせいかほとんど書いていない」とのこと。1ページありまして、ケーキのイラスト付きの文章です。大人になって初めて人を家に招いたとのことで、準備で忙しくなり、疲れたとのこと。「他の人はどうなのでしょうか?」との記載がありますが、皆、それなりに疲れるものです。おもてなしというのは大変気をつかうものですね。

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さらに続いて、E氏です。始まって間もない頃、飛行機好きになったルーツを書くのもいいのではないかかと言われたので、思い出しながら記載されています。最初は、おみやげでももらった飛行機の本がきっかけだったそうで、次に、2,3歳くらいに宇宙船に興味を持ったとのこと。アポロ11号の展覧会が日本に来て、見に行ったそうです。自分の視界から見たらすごく大きく感じられ、駆け足でその場を離れて、やっと見え、その大きさにはしゃいだことを覚えているそうです。そこまで小さい時の記憶はあまりないものですが、よほど衝撃的だったのかもしれません。

その体験の後、兄に紹介されて読んだ航空宇宙機の本にも興味を持ち、より飛行機が好きになったそうです。また、スーパーカーが好きになったこともあり、カウンタックは、3から5台くらいしかなかったという話を聞いたことがあるとのこと。映画「キャノンボール2」で川か湖に沈めていたが、まさかその時のものが本物だったのではないかと懸念されています。

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そしてガラッと話は変わりますが、1,2年前、いきなり自転車を止められて、二重登録されているということで交番に来てください、とのことで、パトカーに乗った体験をされています。もちろん盗難車に乗っていたわけではなく、車体番号は使い回しが多いようで、そのように勘違いされることもあるそうです。文中に「ショボーン」という顔文字があって、A氏に指摘されています。2ch用語というのはなかなか素晴らしいワードセンスです。「ショボーン」と書くと変換で「(´・ω・`)」ですぐに出てくるのもかなり浸透した表現であることをうかがわせます。

最後に梅津ですが、音声で聞き返すと本当良くないですね。内容が硬すぎます。。「乱調、迷い、逸脱が美となる」、「日々を直線ではなく、円で捉える」など概念的な記載が中心です。唯一、「11月が静かで好き」とあるのみです。「免疫システムが正常に働いているときは、同一性を意識しないが、働きに異常があるときは逆に同一性にしがみつこうとする」や、「理性は独りである。その意味で真に他なるものとは遭遇しない」などの記載もあります。この発表にまさしく孤独を感じます。経験上、答えが自分のなかに常にある、という人は苦手と書いていますが、人を評価しているようで自分のことを言っているかもしれないと、記録を書きつつ、反省しております。